卓越した次世代のPCB設計者: Nicole Pacino

Judy Warner
|  投稿日 August 24, 2017  |  更新日 March 16, 2020

 

PCB Designer fam Nicole Pacino and her Dad Mike Creeden

San Diego PCBの創設者Mike Creedenと、娘Nicole Pacino

 

Judy Warner: Nicole、あなたが基板の設計を始めたのは何歳のときでしたか?

Nicole Pacino: 私はとても若いときから設計を始めました。たぶん11歳だったと思います。私の父、Mike Creedenはこの業界の人間で、私はいつも父を見ていたため当然、父が何をしているのかいつも興味を持っていました。ある日、父は私をコンピューターの前に座らせ、作業をゲームとして私に見せてくれました。とても具体的に精密なルールの、非常に難しいゲームで、私はとても楽しめました。そこで、私は仕事をしているのだと気付くよりも前に、この作業を開始したわけです。
 

私が公式に仕事として設計を始めたのは、20歳のときです。この頃、私は物事のより技術的な側面の学習を開始し、単に誰かから指示を受けるのでなく、自分が何を、どうして行うのかを理解するようになりました。
 

数年後には、私は物事の技術的な側面を習得するだけでなく、ビジネスの側面も理解することが重要であると判断しました。このため、私はオハイオ州立大学のカレッジに入り、2つの学位を取得しました。1つは戦略的通信について、もう1つはビジネスについてのものです。この知識を元に私は業界で勉強を続け、将来的には自分のオフィスを開き、将来を主導することを目指すための準備を進めました。

 

 

Nicole Pacino designs 16 layer board on Altium Designer

 

Warner: あなたは今どのような仕事をしていますか? 抱えている最も重要な課題は何ですか?

Pacino: 私は通常、複雑ないくつかのプロジェクトに同時に取り組んでいます。例えば、現在小さな基板を設計しており、この基板はRF設計で、2.4Ghzで駆動するプリント基板によるアンテナがあり、標準のBluetooth LEを使用しています。もう1つははるかに高度なデザインで、16のレイヤーがあり、メインのFPGAから2つの異なるDDRを動かしています。これは興味深く、特に手ごたえのある作業でした。これは0.5mm BGAですが、高密度の相互接続を使用せずにこの設計を行ったためです。私たちは、パッド内のビアを活用してこの設計を実現しました。
 

 

Nicole Pacino and her 16 layer circuit board design

 

 

最も重要な課題といえば、業界標準のさらなる進歩に対して短い時間で、かつ各種のプラットフォームにわたって対応することでしょう。ここSDPCBで、私たちはAltium、Pads、Allegro、Xpeditionという4つの異なる設計プラットフォームにわたってサービスを提供する専門家を抱えています。


私は最初、Padsを使用するトレーニングしか受けていませんでした。私が大学から戻ったとき、Altiumのトレーニングを受けた設計者の需要が高いことを知りました。このため、職務の機会を広げるため、私はAltium Designer Essentialsのオンラインコースに申し込みました。このコースを約1週間で修了した後、このソフトウェアが使いやすかったこともあり、私は十分な知識を習得し、機能を細部まで把握して、次の週からAltiumで設計を開始できました。毎日常に学び続け、自分の熟練度を高め、業界標準の進化に追い付いていくのは大変なことです。

Warner: 思い返してみて、自分の設計の才能を示していたと考えられるようなことがありましたか?

Pacino: パズルです。私はパズルやゲームが好きです。しかし、どのような設計者に聞いても、おそらく同じ答えが返ってくると思います。また私は、数学が大好きなマニアを自称しています。私はいつも、問題解決の素養があり、詳細をとても気にするため、全体像を見て、細かい部分に分解して考えることができます。私は抽象的な観点を使用して、問題を頭の中で視覚的かつ論理的に解決できます。このような思考形式が、私の職務で優れた業績を挙げるために非常に役立ってきたと考えています。
また子供の頃、私はいつも電子機器が好きでした。私は物を分解してから、まと元通りに組み立て直す、または別の方法で組み立て直すことで、機器がどのように動作し、何ができるのかを理解しました。このような作業を行うことが、現在私が取り組んでいるプロジェクトの製造性を理解するために非常に役立っており、極めて重要だと考えています。

Warner: 設計の職業を選ぶ若い人たちが増えない理由は何だと考えますか?
 

Pacino: この業界へのなじみが薄いためだと思います。PCB設計は、伝統的に学校で教えたり、注目したりするものではありません。ほとんどの技術者は、それがテクノロジーを生み出すプロセスにおいて必要な部分だと理解していますが、その分野における職業の機会が基板の設計だけに限定されていることを、多くの人々は理解していないと思います。多くの技術者はこれらの会社のために働くようになり、同じ製品の作業と、同じテクノロジーの新しいリビジョンの作成から抜けられなくなります。しかしPCB設計者として私は、世界のあらゆる分野で開発されている新しいテクノロジーに手を広げる必要があります。興味深い新しいガジェットや玩具から、通信衛星や軍事防衛システム、更に医療救命テクノロジーまで、全てです。私が自分の行っていることに大きな誇りを持っている理由がこれです。私は自分が小さな部分であり、より大きな範囲での重要なテクノロジー開発に貢献していると考えています。私は各種のプロジェクトの一部として働く機会を与えられたことを名誉に思い、仕事を続けます。これは本当に素晴らしい仕事で、このような機会が存在することを、今日のほとんどの若い人々は認識していないと思います。
 

 

PCB Designer Nicole Pacino working on board design

 

 

Warner: PCB設計の職業を考えている若い人々に対して、どのようなアドバイスがありますか?

Pacino: 私もこの職業ではまだ若手なので、私が毎日自分自身に与えているのと同じアドバイスを送りたいと思います。それは、全てのプロジェクトにおいて正確性、品質、性能効率の価値を深く見定めることです。注目すべき主な要因は3つあります。全ての基板の解決可能性、電子回路、製造性です。そこで実際のところ、最良のものを目指し、常に学ぶ姿勢を持ち、自分の周囲に助言を求め、自分の前にいる熟練した技術者の知識を尊重するべきです。熟練した技術者たちは、自分が今行っている作業の礎を築いてきたのです。

Warner: あなたの作業と、あなたが習得している深遠な複雑性には大いに感銘させられました。お時間を割いてお話を聞かせてくださり、ありがとうございました。

Pacino: こちらこそありがとうございます。楽しかったです。

筆者について

筆者について

Judy Warnerは、25年以上にわたりエレクトロニクス業界で彼女ならではの多様な役割を担ってきました。Mil/Aeroアプリケーションを中心に、PCB製造、RF、およびマイクロ波PCBおよび受託製造に携わった経験を持っています。 また、『Microwave Journal』、『PCB007 Magazine』、『PCB Design007』、『PCD&F』、『IEEE Microwave Magazine』などの業界出版物のライター、ブロガー、ジャーナリストとしても活動しており、PCEA (プリント回路工学協会) の理事も務めています。2017年、コミュニティー エンゲージメント担当ディレクターとしてAltiumに入社。OnTrackポッドキャストの管理とOnTrackニュースレターの作成に加え、Altiumの年次ユーザー カンファレンス「AltiumLive」を立ち上げました。世界中のPCB設計技術者にリソース、サポート、支持者を届けるという目的を達成すべく熱心に取り組んでいます。

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