回路図とPCBレイアウトの同期によって効率と納期順守を改善

Chris Carlson
|  投稿日 February 21, 2017  |  更新日 December 16, 2023

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画像ソース: Flickr user bittbox  (CC BY 2.0)

 

しばらく前に、私は、スマート潅漑と環境モニタリングを自動化するためのシステムを設計、設置する会社で働いていました。業務に特有のニーズに対応するため(または、製造業者から戻ってきた後に、特定のモデルでの設計の欠点や見落としを補正するため)、どたん場で基板に「ハック」(ピンスワップやゲートスワップなど)を行うのが習慣になっていました。この即席の方法は、短期的には効果があり、その会社は、プロジェクトから期待された要件を必ず満たすことができましたが、この「直感に頼る」方法には、拡張性がありませんでした。

 

問題の一部は、PCBレイアウトの微調整に時間を使いすぎて(製造業者から基板が戻ってきて初めて、一部の詳細を無視していたことに気付いたのです)、詳細な回路図を通じて設計に全体的にアプローチするための時間が十分になかったことです。統合データモデルによるアプローチについて私たちが知っていれば、その時、役に立ったでしょう。

 

統合データモデルによるアプローチで回路図とPCBレイアウトの同期を維持

 

統合データモデルによるアプローチでは、回路図シンボル、PCBフットプリント、サプライヤー調達情報、SPICEモデルなど、設計プロセスの複数の側面をシームレスに統合できます。

 

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統合データモデルによるアプローチを通じて、回路図とPCBレイアウトの同期を維持することには、利点がいくつかあります: 

 

  • 同時設計: 回路図の作成は、効果的な計画に重要です。一方、PCBレイアウトを通じて回路設計の詳細に深く入り込むことは、多くの設計者にとって有益です。ファイルのリンクや更新の自動化によって、回路図とPCBレイアウトを統合することで、設計プロセスは自由に、「全体像」アプローチと詳細な「実世界」アプローチとの両方に同時に取り組むことができます。

 

  • 時間の節約: 回路図を効果的に計画するのに必要な手段を取ることによって、結局は貴重な時間を節約できます。過去に、チームが直接ボードに即座に設計を行っていたときは、時間を浪費していました。多くの場合、工場からプリントが戻ってきて、修正に何時間もかかる「細かな」詳細を見逃していたことに気付きました。PCBレイアウトと回路図を同期すれば、製造業者に送られる前に、設計資産に整合性があり検証されていることを確認するのに役立ちます。

 

  • コストの節約: 時間の節約に加えて、統合データモデルによるアプローチを採用すると、結局はコストも節約できます。会社が、もっと早くこのアプローチを設計プロセスに採用していれば、元上司は、コストが節約できることを聞いて喜んだだろうと思います。そうした方が、はるかに費用効率が高く、簡単に避けることができたミスの修正に費やす、全ての時間や労力を節約するのに役立ったでしょう。

 

  • 複数のチームメンバー: エンジニアや設計者のチームを管理した経験から、各チームメンバーからの成果物を調整する(また、効率的に計画する)ことが、どれほど困難か知っています。回路図を通じて製品を計画するのに特に優れた設計者もいれば、PCBレイアウトで直接作業することを好む設計者もいます。これらのチームメンバーからの資産を効果的に調整しようとすると、特に製造期限の下で作業している場合、ストレスを感じることがあります。異なる設計者からの多くの電子メールに目を通したり、全員に同じページが行き渡るように、さまざまなファイルやスプレッドシートをスキャンする必要があり、何度、困難な状況に陥ってイライラしたか分かりません。(回路図とPCBレイアウトが即座に同期される、全ての設計資産の集中リポジトリなど)統合データモデルによるアプローチを通じて、複数のチームメンバーの間での、設計変更に関する効率的なコミュニケーションを容易にすることができます。

 

  •  設計プロセスに費やす時間を増やす: この問題に向き合いましょう。エンジニアや設計者として、革新的で作り込まれた製品の作成や実装に時間の大半を費やすべきです。残念なことに、しばしば、日常のあまりに多くが、不必要な(かつ循環的な)コミュニケーションプロセスや、適切なファイルの検索、全員に同じページを届けようとする努力に費やされています。統合データモデルによるアプローチを通じて回路図とPCBレイアウトを同期すれば、優れた設計の作成に集中できるよう、本当はやりたくないことに使う時間を減らすのに役立ちます。

 

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統合データモデルによるアプローチが、選択すべき方法であることに、ほとんどの設計者が賛成してくれると思います。それなら、この方法が、それほど一般的でないのは、なぜでしょう? おそらく、まだあまり採用されていないのは、多くの設計者が、設計プロセスの効率化に役立つ新しい強力なツールを知らないからでしょう。Altium Designerでは、設計者は、設計資産を同期することによって、統合データモデルによるアプローチを実践できます。回路図とPCBレイアウトを統合し、システムで行われた更新を全て自動的に反映することによって、設計プロセス全体を効率化し、アイデアの製品化をより効率的に行うことができます。

筆者について

筆者について

フィールド アプリケーション エンジニア
のChris Carlsonは、2007年8月にAltiumに入社し、パワー エレクトロニクス、データ収集、および制御の分野で経験を積み重ねています。1993年にオレゴン州立大学で理学士号を取得し、生体医療、産業用制御、電動機駆動、防衛などの業界で設計技術者として働いています。

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