PCB設計で銅箔を最大化する方法: 銅箔流し込みと銅箔配置の長所と短所

Lawrence Romine
|  投稿日 February 23, 2017  |  更新日 December 7, 2020

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画像出典: Flickrユーザーbillautomata (CC BY 2.0)

 

PCB設計には「銅箔は自由」という格言があります。これは、PCB設計者は逆に考える必要があることを意味します。最初、基板には一面に銅箔が張られ、必要のない銅箔を取り除きます。ほとんどベアボード状態の同じサイズの基板と比べて、ほとんど銅箔である基板を作る方が、素早く作成でき、無駄がなく、コストも安くなります。適切なテクニックを選ぶかどうかで、作業が楽になるか、ストレスがたまるかの違いが生じます。

銅箔を最大化する方法は、一般に2つあります:

  1. 手動 – 通常、この方法の方が迅速ですが、雑になります。具体的な図形を定義、配置することによって、銅箔をオブジェクトとして素早く配置できます。これらのオブジェクトは、ネットに割り当てることができ、導通試験の間に、ショートやエラーがないかチェックします。このテクニックは、短納期の場合やプロトタイプの作成に好まれます。
  2. 自動 – この方法の方が、時間がかかります。一方、銅箔流し込みによって、銅箔使用の最大化がより簡単にできます。基板をレイアウトし、レイアウトに収まる銅箔の図形を配置する代わりに、基板領域の周囲に境界を描き、銅箔を流し込むことによって、銅箔を最大限に残すことができます。

 

銅箔流し込みが時間を節約できる仕組み 

銅箔を流し込む場合、境界が定義され、流し込み操作が実行されると、その内部は全て自動的に接続されます。その領域が大きい場合、珍しい図形である場合、または形が不揃いの複数のオブジェクトで満たされている場合、通常、このテクニックの方が簡単で迅速です。流し込み操作によって、複数の不揃いな領域が自動的に塗りつぶされ、さらに、その領域の他のパーツやトレースを自動的に分離します。

GNDなど、同じネット上のオブジェクトは全て、セットアップページまたは設計ルールに従って接続されます。銅箔流し込みで自動的に対応できるオブジェクトは、ビア、トレース、ネット、デカル、空間領域、パッドです。適切に使用すれば、銅箔流し込みは、自動的に、必要な接続を行い、不必要な接続を行いません。これらの接続は、導通チェッカーツールを使用して再確認できます。

 

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画像出典: Flickrユーザー Low Voltage Labs (CC BY 2.0)

 

設計に手動アプローチを選択する場合と自動アプローチを選択する場合

多くの場合、私たちは設計を手動で行う傾向があります。短期的には、その方が速いと思われ、設計へのコントロールを放棄する必要がないからです。しかし、広い視野で見れば、最初は作業が増えるとしても、自動アプローチの方が、長期的に優れている可能性があります。銅箔流し込みを使用した方が、設計に適切であろう状況を3つ示します。

ポリゴン管理

 

手動 - プロトタイプを作成しているとき、特に、設計を変更することが決まっている場合は、設計の見た目を良くするのに時間を浪費しないでください。従来の閉じた図形の銅箔は、素早く簡単に作成できますが、珍しいポリゴンは、時間がかかる場合があります。四角形や三角形、台形を重ねて図形を作成するという、手っ取り早いテクニックもあります。これは、短期的なソリューションとしては役立ちますが、結局、設計をきれいにするため、頂点の編集を行う必要があり、冗長な作業になる場合があります。


自動 - このプロセスに銅箔流し込みを使用すると、ポリゴンの管理がまったく必要なくなるという意味で自動化されます。境界を定義し銅箔を流し込むことによって、変更を行う場合でも、後で調節が必要なオブジェクトを作成しないで済みます。

 

プレーン管理

 

手動 – PCB設計で、プレーンとは、全ての接続が1つのネットである、銅箔の大きな領域のことです。複数のプレーンを持つ基板を作成していて、しばしばパーツを追加、変更する場合、トレースをポイントからポイントに配線する方が、短期的には簡単です。


自動 – 設計でGND用プレーンを使用するのは、全て同じポイントに配線される複数のトレースを避ける優れた方法ですが、この場合、銅箔流し込みが特に効果的です。銅箔プレーンを定義し流し込むと、1つのネット上の全ての接続が自動的に接続されます。

 

熱管理

 

手動 - 大きな銅箔の四角形をデカルに追加して、熱の放出を助けるのが、高温の部品を冷却する素早い方法です。これは、作業スペースが大きい場合に最も効果的ですが、多くの場合、そんなことはありません。


自動 - 影響が大きい部品の周囲に領域を定義し、それらの部品を優先することによって、熱放出を簡単に最大化できます。スティッチングビアの配列でさえ、両側で簡単にフラッドできます。銅箔の表面積を最大化するのが重要な場合に、これを使用してください。

 

銅箔流し込みを使用するとき、接続のルールを定義するのに時間を費やせば、今後の設計で完璧に注ぎ込むことができます。接続より機能に集中できるようになります。この投資によって、今後の設計で時間を節約できます。

Smart Copper Editingは、簡単かつ有意義な方法で、これらの違いを統合できます。銅箔注ぎ込みの間に全般的要件、限界要件、特有の要件を自動的に適用できます。さらに、Smart Copper Editingは、基板の端やユニークな領域など、他の領域の管理にも役立ちます。設計ルールでは、銅箔注ぎ込みに固有の具体的なルールによって、ビア、トレース、ネット、デカル、空間領域、パッドを定義してください。

Smart Copper Editingなどの質の高いツールがあれば、変わった銅箔図形に時間を浪費するイライラがなくなります。設計が満たすべき要件を満たすため、設計を素早く調節することで、時間を節約しイライラをなくしてください。Designerソフトウェアおよびこのツールの機能の詳細については、Altiumまでお問い合わせください。

筆者について

筆者について

EDA業界の思想的リーダーであり、Altiumの専門家であるLawrenceは、統一されたソリューションは素晴らしいというだけでなく、必要不可欠なものであると確信しています。

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