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PCBの実装図を作成して設計の意図を明確に伝える

投稿日 December 5, 2017
更新日 January 1, 2021

家具を組み立てている男性の漫画

 

「一部、組み立てが必要です」この文言は、買ったばかりのものに心を躍らせていた人を恐怖に陥れます。実は、私にもそんな経験があります。それは、子どもたちへのクリスマスプレゼントとして購入したサッカーのテーブルゲームでした。サイズが大きかったために、私はゲームを箱に入れ、クリスマスイブの夜遅くまでガレージに隠しておきました。「それほど難しくはないはずだ」そう高を括った私は、子どもたちがベッドに入ってから、テーブルゲームを組み立て始めました。何杯ものカフェインを摂取し、指の節に痣を作り、部品を失くし、私を「行儀の悪い人リスト」に載せてしまうようないくつかの罵りを口にしながら、夜が明ける直前になってようやくベッドに入りました。クリスマスの朝の家族写真には、テーブルゲームで楽しそうに遊ぶ子どもたちと、もう1杯のカフェインにしがみつくゾンビのような父親が写っていました。

 

組み立てが必要になるものはたくさんありますが、PCBの世界では実装が必ず必要になります。設計者は部品の配置やトレースの配線中に、実装について常に考えているわけではありません。ただし単純な事実は、設計者が設計したものを誰かが実装しなければならないということです。そこで必要になるのが、製造業者に基板の実装方法を伝えるための実装図です。

 

これまでに実装図を作成したことがない場合は、この投稿を入門として活用できます。ご安心ください。これは分厚いマニュアルではありませんし、幼稚園に通う私の子どものお絵描きのような設計の見取り図も含まれていません。ここで必要になるのは、実装図のさまざまな要素のほか、PCBのレイアウトツールが実装図の作成にどう役立つのかについて理解することだけです。一番よいところは、ここに含まれる情報が読んでいただくものであり、実際の実装は必要ないという点です。

 

実装図に示されたPCBの部品とデジグネータ

PCBの実装図には、部品の外形やデジグネータなどの要素が記載される

 

PCB実装図の項目

連携する製造業者にとって使いやすく正確なものにするために、実装図は複数の形態で作成できます。設計中はPCBが実際にどのようになるのかについて、必ず実装図で製造業者に伝えるようにします。自分が連携している製造業者に留意することは重要ですが、大半の実装図に共通する下記の基本的な要素を理解しておく必要があります。

 

実装図の形式: CADシステムには、図面の形式が自動的に生成されるものと、個別のライブラリーの形状として図面を手動で作成する必要があるものがあります。いずれを使用する場合も、形式と設計データベースを組み合わせて実装図を作成することになります。

 

基板外形: 製造図と同様に、基板外形を表示します。基板のサイズに応じ、画像を縮尺して実装図の形式に合わせたり、画像を拡大して詳細を表示したりすることができます。

 

部品の形状: 基板外形内には、基板に半田付けされるすべての部品の形状とそれらのデジグネータを含めます。

 

機械部品: 取り付け工具を使って基板に配置する機械部品も表示します。こうした部品は標準的なPCBフットプリントではないかもしれませんが、形状を個別に追加または描画しなければならないことがあります。機械部品の例としてはejector handleが挙げられます。これは電気部品ではないため、回路図に表示されない場合もありますが、実装図と部品表には含める必要があります。

 

実装の注記: 基本的な実装の詳細、業界の標準や仕様に関する参照、特別な要素の位置が記載される指示の一覧です。

 

識別ラベルの位置: バーコードや実装タグなどの識別ラベルは、実装の注記に含まれる特定のラベルへの参照や描画ポインターを使って含めます。

 

追加の図: 通常、基板の両面に部品が配置されるPCBの場合は、表面だけでなく裏面の図も追加する必要があります。基板が小さい場合は、両面が同じシート内に表示される場合もあります。基板が大きい場合は、追加のシートを使用します。基板の側面図を使って、特定の機械部品の配置方法を示す必要がある場合もあります。

 

拡大断面図: ejector handleなど、実装領域を詳細に表示する必要がある場合は、メインの基板図に断面図を添付します。こうした断面図を拡大すると、内容を明確に伝えることができます。ここでは描画ポインターを使って、この図がメインの基板のどの部分に該当するかを示します。

 

部品の一覧: 製造業者から、実装図に部品表を含めるように依頼される場合もあります。これは小さな基板でよくあることです。

 

ラックに並べられた実装済みの回路基板

優れたPCBの実装図は、基板をスムーズに製造することに役立つ

 

レイアウトツールは図面の作成にどう役立つのか

一昔前は、実装図の作成に個別の図面作成ツールを使う必要がありました。当時使用されていたPCBレイアウトシステムでは、必要になる詳細な図面を作成できなかったからです。現在は、実装図の作成に必要な機能がレイアウトツールに搭載されています。必要に応じて、部品の情報が追加された基板外形をインポートし、サイズに合わせ、拡大/縮小、回転、ミラー化を行うことができます。実装の指示は一から作成するか、外部ファイルからインポートして、実装図に追加します。実装の敏感な領域は抽出、拡大し、詳細な断面図として表示できます。完成した実装図を電子形式に変換し、製造出力ファイルに追加することも可能です。

 

情報の詰まった明確な実装図があれば、製造業者がややこしい組み立て説明書に土壇場でイライラしている目のどんよりとしたどこかの父親のようになることはありません。設計者は実装図を作成することで、PCBを遅れることなく正確に実装できることを製造業者に保証させることができます。

 

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