CAMエディタを活用する

January 5, 2020 Altium Designer

 

プリント基板CADのAltium DesignerはCAMエディタを備えており、PCBからGerber出力を実行すると、出力されたGerberデータがCAMエディタに自動的に読み込まれ、アートワークイメージが画面に表示されます。

プリント基板の製造に際して設計者は、Altium DesignerのPCBデータではなく出力されたGerberデータに対して責任を負はなくてはなりません。CAMエディタはその為に必要なチェック機能に加え、テストクーポンの追加や面付け等、製造上の要件を満たす為の多くの編集機能を備えています。

そこで、今回は、このCAMエディタの機能をいくつか紹介したいと思います。

 

Gerberイメージの表示

CAMエディタは、PCBエディタから出力されたGerberデータを読み込んで表示します。これにより、Gerber出力の段階で発生した過りを発見することができます。

CAMエディタでは表示する層のオン/オフや拡大/縮小が自由にででき、目視による確認が容易です。また、レポート機能などによって数値を取得して、より精密な確認を行うことができます。

 

デザインルールチェック

CAMエディタはデザインルールチェック機能を備えています。この機能は、[解析] – [PCB デザインをチェック /修正] によって利用できます。

 

CAM_DRC

デザインルールチェックの設定と実行
各項目に規定値を入力し、[OK]ボタンで実行。エラーを自動的に修正する事ができる。この機能を利用する為には、[ツール] - [ネットリスト] - [抽出]コマンドによってインテリジェントなデータに変換しておく必要がある。

 

コマンドを選択すると、チェック項目を設定するためのダイアログボックスが表示されます。まず、全ての項目にチェックを入れてルールチェックをかけてみるとよいでしょう。

ここにあるチェック項目の多くはPCBエディタでチェック済みのはずです。しかし、ここでは、PCBエディタでは検出できない「CAM出力以降に生じた誤り」を見付け出す事ができます。

 

シルクカット

プリント基板の設計時、部品のリファレンス番号(シルク文字)を部品のパッドや穴(スルーホール)に重ならないように配置します。パッドにシルクが重なると半田がのらず、また、穴にシルクが重なるとインクで穴が塞がる事があるからです。しかし、密度の高い基板では重なりをうまく避けられない場合があります。また、重なりのある箇所が見落とされている場合もあります。

このような場合には、パッドや穴と重なっているシルクの一部を切り取り、重なっている部分を除去します。このような処理をシルクカットと呼びます。

このシルクカットは、[ツール] - [シルクカット]コマンドで実行します。

 

4L+3PCB6

シルクカット実行の前(左)と後(右)
実行後の画像の「青い〇」で囲んだところがシルクカットされた箇所。

 

 

内層データの反転

PCBエディタでは多層基板の内層をポジで設計することも、ネガで設計することもできます。 このため内層をポジで設計された基板データとネガで設計された基板データが混在する場合がありますが、面付けを行う場合にはどちらか一方に統一しなくてはなりません。特に、大量に生産する場合には、異なる基板を組み合わせて面付けする事も稀ではなく、ネガからポジ(またはその逆)によって統一することが必要になります。CAMエディタでは、このような変換を容易に行うことができます。

この変換には、コンポジットレイヤを使います。コンポジットレイヤは複数の層が一つに合成された層のことです。このコンポジットレイヤで反転合成を行うと、ネガからポジへの変換ができます。

この変換は「ポジの銅箔ベタ」から「ネガの内層データ」を引き算し、その結果として「ポジの内層データ」を得ます。変換は以下の手順で行います。

 

  1. PCB への層の追加とGerber出力

サンプルGerberは「4 Port Serial Interface.PcbDoc 」にInternal Plane と全面銅箔のメカニカル層を加えて作成。反転合成を行う場合には、そのベースとなる「ポジの銅箔層」が必要。そのため、使われていない[Mechanical Layer2]にこのベタエリアを作成。

 

4L+3PCB

ネガ/ポジ変換の為のサンプルデータ作成に利用したPCBレイアウト
[4 Port Serial Interface.PcbDoc]にプレーン層と全面銅箔のMechanical層を追加し、[ファイル] - [製造用データ出力] - [Gerber Files]でGerberデータを出力。

 

4L+3PCB2

CAMエディタに読み込まれた、ネガの内層データ
PCBエディタからGerber出力すると、自動的にCAMエディタは起動し、Gerberイメージが表示される。

 

4L+3PCB3

CAMエディタに読み込まれた、ポジの全面銅箔層

 

  1. コンポジットレイヤの作成

CAMエディタから[編集] - [コンポジットレイヤ] - [コンポジットを自動作成]を実行する。これにより、マウスのカーソルが「□」に変るので、マウスのドラッグによって対象エリアを囲む。その後、マウスを右クリックすると[コンポジットの自動作成]という名のダイアログボックスが現れる。この画面の設定を変更せずに[OK]ボタンを押すと、コンポジットレイヤが作成される。

 

4L+3PCB4a

コンポジットレイヤを作成
コマンドを起動しエリアを指定した後、マウスの右ボタンを押すと「コンポジットの自動作成」ダイアログボックスが表示されるので[OK]ボタンを押して実行する。

 

4L+3PCB5b

ネガからポジへの変換が行なわれた、コンポジットレイヤ
「ポジの銅箔エリア」から「ネガの内層データ」が引算され、その結果としてネガからポジへの変換が行われる。

 

CAMエディタはこれらの機能によって、PCBエディタの能力を補完します。

 

Altium Designerについて詳しく習得したい方は、今すぐアルティウムのエキスパートにお問い合わせください。

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