IBMの5nmトランジスタにより可能になる、モノのインターネット、深層学習、その他のテクノロジー

人間の頭部の形状と技術的なシンボル

 

 

私の曽祖母が生まれた頃、普通の人々はまだ馬と馬車で移動していました。彼女は人生の間に、ジェット機、コンピューター、宇宙船を見ることになりました。前世紀にはテクノロジーが急速に発達し、今世紀も同様に急速に発展することは間違いないでしょう。ムーアの法則は、進歩のペースについて1つの指標となってきました。多くの専門家が、ムーアの法則の終焉を予測したにもかかわらず、この法則は現在も続いています。エレクトロニクスの発展の最も新しい証拠は、IBMにおけるトランジスタのサイズの躍進です。IBMは最近、5nmのトランジスタの製造に成功しました。これによって、コンピューターの速度が大幅に増大し、電力の要件が低減するでしょう。この発見は、処理と電力の制限により、いくつかの新しい産業の発展が抑えられている時期にありました。この新しい種類のトランジスタにより、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、自律走行車などの新しいテクノロジーが可能になるでしょう。

5nmトランジスタ

IBMは先週に発行されたブログで、自社で新たに開発された5nmトランジスタのアーキテクチャーについて詳説しています。同社は現在の垂直方向のFinFET配置から離れ、水平方向の積層方式を採用することでこの革新を実現しました。この新しい配置により、チップ上のトランジスタの最大数は200億から300億にまで増大します。5nmトランジスタには、特に消費電力と処理速度において、現在のテクノロジーと比較して大きな利点が存在します。

あらゆる種類の業界で、低消費電力のチップが熱望されています。IoTの爆発的な増大に伴い、小さなバッテリーを使用して高度な計算を実行できるチップが、組み込みシステム用に要求されます。専門家たちは、これらの新しい5nmチップは今日行われている計算を、75%低い電力で実行できると予測しています。これは、携帯電話が1回の充電で2 ~ 3日動作することを意味します。

電力削減にそれほど興味がないなら、速度の増大に関心があるかもしれません。IBMのトランジスタは最大の能力で使用した場合、現在のプロセッサーよりも40%高速に計算を実行できます。このような計算能力があれば、機械学習や自動運転車などが現実的な可能性となります。

つまり、電力を75%削減するか、処理を40%高速化することを選択できます。このような利点が最も役立つ応用を見てみましょう。

 

 

 スマート都市

IoTには、5nmチップのような低消費電力プロセッサーが必要です。
 

 

人工知能

1950年代にAlan Turingは「チューリングテスト」を仮定しました。これは、人間の質問者がそれを人間であるかどうか判別できない場合、コンピューターは知性を持っているとみなされる、というものです。多くの人々は、このテストを真の人工知能の証明と考えています。しかし、AIの目的は単に人間を騙すことではなく、機械がそこから学習し、新しい状況へ対応できるようにすることです。自動運転車が公道のランダムな環境を走行するには、人工知能が必要です。AIはIoTデバイスにも有用で、デバイスの周囲の環境とインテリジェントな相互動作が可能になります。

問題は、チューリングテストに合格したコンピューターは未だに存在しないことです。これは主に、処理能力が不足していることが原因です。AIには、周囲の環境についての膨大な量の情報を処理できる強力なチップで構成されるニューラルネットワークが必要です。Nvidiaは、機械学習に特化し、150億個のトランジスタを誇る新しいICを製造する計画を去年公表しました。IBMの最新の発見によってこの数は倍になり、深層学習ニューラルネットワーク用の優れた選択肢となるでしょう。

IoT(モノのインターネット)

私がIoTについて考えるとき、最新で最高性能のマイクロプロセッサーを必要とするデバイスについては考えません。何かの理由でBluetooth機能が搭載されている日常的なアイテムについて考えます。しかし、IoTで必要なのはIBMの速度ではなく、電力削減です。

IoTデバイスは多くの場合、バッテリーで何日も、何年も動作する必要があります。また、環境発電マイクロ電子機械システム(MEMS)やその他の方式でその場所のエネルギーを収集することもあります。その機械がバッテリーとエネルギー収集プロセスのどちらを使用する場合でも、一般に利用可能な電力は多くありません。データの検出と処理には電力が必要です。さらに、そのデータは多くの場合にネットワーク上で伝送する必要があります。75%も消費電力の低い5nmのチップにより、IoTでのデータ検出および伝送で、より多くのエネルギーを節減できるようになるでしょう。

 

路上の自動運転電気自動車

自動運転車が公道を走行するには、5nmによる300億個のトランジスタが必要になるでしょう。

 

 

自律走行車

従来の自動車はほとんど機械システムのみで構成され、それ以外は文字どおりベルや警笛だけでした。現在の専門家は、2020年には路上の新車のうち最大70%が接続性を備えていると予測しています。しかし、接続性は次世代車両のエレクトロニクス面の1つでしかありません。車両は通信とともに、センサーから大量のデータを読み出す必要があります。データは収集後に処理され、おそらくはサードパーティーへ送信されます。これらの動作すべてに、現在利用可能なものを超える処理能力が必要となります。

現在の「自律的」車両は完全に自律的ではありません。ドライバーが依然として警戒し、問題が発生したときにはコントロールを引き継ぐ必要があります。将来の高度運転支援システム(ADAS)、たとえばTeslaのアップグレードされたオートパイロットなどは、依然として注意を必要としますが、より多くのコントロールが車両に任されます。車両が真の意味で自動運転を行うには、広範なセンサーを組み込み、機械学習アルゴリズムを実装する必要があります。Intelは、これらの機能を実現するには車両が最大で毎秒約1GBのデータを処理する必要があると推定しています。Teslaはオートパイロットをアップグレードするため、プロセッサーを従来のものよりも40倍高速なものにアップグレードする必要がありました。自律運転の次の段階に達するため、同社にはIBMのようなチップが必要です。

科学的な革新は常に遠大な意味を持ちますが、その短期的な用途について検討することも有用です。5nmのトランジスタが商業的に採用されるまで、さらに数年が必要ですが、実用化されれば大きな利点があるでしょう。5nmチップの低消費電力と高速化により、いくつかの産業が成熟し、潜在的な可能性が十分に実現されると思われます。このテクノロジーの恩恵を最も強く受ける分野は、人工知能、IoT、自律走行車の3つでしょう。

プロセッサーが大きくても小さくても、基板に搭載可能である必要があります。この次世代テクノロジーを使用する基板の設計は困難です。このため、設計に役立つCircuitStudioのようなソフトウェアを使用するべきです。このソフトウェアには、あらゆる種類のアプリケーションを設計するため役立つ全ての種類のツールが含まれています。

将来のチップについてのご質問は、Altiumのエキスパートにお問い合わせください。

 
 
 
 
 
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