Altium Designerでの基板設計のテストポイントの使い方

細線ベクトルと複数のシンボル

 

たぶん、小学校のときの抜き打ちテストの古い記憶のせいだと思いますが、「テスト」というものが心底好きな人はいないようです。「A Christmas Story」の小学生が 課題の作文に否定的な反応を示すように、世界中の人々は大抵テストを受けるということにやはり否定的な反応を示すものです。

それでもPCB設計者になろうとするなら、基板のテストポイントの使い方を学ぶことが必要になります。幸いなことにテストポイントの使い方は難しくはなく、どちらかといえば楽しみでさえあります。基板のテストポイントの使い方を以下に説明します。 

 

ステップ1: テストポイントの再確認

回路基板上のテストポイントを必要とするテストには2種類があります。技術者によるベンチテストと製造中の自動テストです。ここでは後者について説明します。テストポイントを使う自動テストには2つのタイプがあります。基板の製造のためのベアボードテストと実装のためのインサーキットテスト(ICT)です。 

実装の前に行われるベアボードテストは、全てのノード間の電気的接続が正しいことを確認するためのものです。ICTは、コンポーネントが正常に動作していることを確認するための、実装後のより機能的なテストです。どちらの場合も、テストを行うために試験装置のプローブを回路基板上のテストポイントと接触させます。

テストポイントのサイズ、間隔、クリアランス要件など、テストポイントのデザインルールを決定する方法についてはここでは触れません。これらのルールは、御社と基板製造業者のニーズによって異なるためです。代わりに、Altium Designer 18を使った回路基板へのテストポイントの割り当て方法と、使用しているテストポイントの設計ルールの設定方法について説明します。

 

ステップ2: テストポイントの手動での割り当て

回路基板のテストポイントの一般的なルールは、テストのためのプローブ可能な点を各ネットが持っている必要があるということです。これらの「テストポイント」は、製造業者が完成した基板をテストする際に使用するレポートを生成できるように、基板設計システム内で認識および分類されている必要があります。これを行うため、プローブ可能な点としてパッド、またはビアを追加することで基板上にテストポイントを作成します。Altium Designerは、これを手動と自動の両方で実行する機能を備えています。

テストポイントとしてパッド、またはビアを手動で追加するには、該当するパッド、またはビアを選択しそのプロパティを編集するだけで済みます。Altium Designerを使うと、そのテストポイントを製造(ベアボード)テストポイント、実装(ICT)テストポイント、またはその両方として設定できます。 

Altium Designerを使うと、後で説明するようにテストポイントのデザインルールを設定することもできます。しかし、テストポイントを手動で設定すると、現在のルールはすべて上書きされます。下図に、スルーホールパッドのプロパティ設定を示します。このプロパティ設定では、下までスクロールして、基板の表面と裏面の製造テストポイントと実装テストポイントを両方とも有効にしました。

 

Altium Designerのピンのプロパティメニューのスクリーンショット

Altium Designerでテストポイントとしてスルーホールピンを手動で設定

 

上図では、このピンのラベルが、テストポイントとしてこのピンを割り当てているのも確認できます。これは、デフォルトの表示設定ではないため、有効にする必要があります。これを行うには、[View Configuration] パネルを開き [View Options] タブをクリックします。そのタブの一番下までスクロールすると、テストポイントの表示設定が表示されます。

 

ステップ3: テストポイントのデザインルール

テストポイントとして使うパッドとビアのサイズ、間隔、クリアランスの要件を管理するために、Altium Designerでデザインルールを設定できます。これらの設定は [PCB Rules and Constraints] メニューの中にあります。このメニューは [Design] » [Rules] のプルダウンメニューから利用できます。このメニューの左側には、[Testpoint] の制約が表示されます(下図参照)。

 

Altium Designerのtestpointルールのメニューのスクリーンショット

testpointルールのメニュー

 

Altium Designerには、複数のtestpointルールがあらかじめ設定されています。必要に応じて、一連のtestpointルールを追加することもできます。上図のように、デフォルトの一連のtestpointデザインルールには以下の4つがあります。

 

  • Fabrication Testpoint Style

  • Fabrication Testpoint Usage

  • Assembly Testpoint Style

  • Assembly Testpoint Usage
     

下図のように、testpoint usageルールのメニュー設定が表示されます。このドロップダウンメニューを使うと、テストポイントに適したネットを選択できます。全てのネットにルールを設定することも、名前、クラス、レイヤーでネットを指定することもできます。また、使用するテストポイントの数をネットごとに指定したり、一部のネットにテストポイントを追加できないようにすることもできます。

 

Altium Designerのtestpoint usageルールのメニュー

Altium Designerでのtestpoint usageの設定

 

testpoint styleメニューを使うと、テストポイントに適したパッド、またはビアを決定するために使われる設定を変更できます。例えば、テストポイント用に特定のビアサイズが必要な場合、その特定のビアサイズのみが使われるようにstyleルールを設定できます。使用できる設定の一部を以下に示します。

 

  • サイズ: パッドとビア、それらのドリル穴を、希望のサイズに設定できるだけでなく、最小および最大サイズを設定できます。

  • グリッド: 特定のグリッド上のパッドとビアにテストポイントを設定する場合、ここでそれを指定できます。

  • 許容される面: テストポイントを配置する面(表面、裏面、両面)を指定できます。

  • 範囲: SMDパッド、スルーホール、ビア、またはこれら3つの任意の組み合わせにテストポイントを制限できます。

  • クリアランス: テストポイント間のクリアランスを設定できます。テストポイントと基板上のその他のコンポーネントとのクリアランスも設定できます。

 

下図で、例として使っている小さなテスト基板のテストポイントのスタイルを設定します。裏面のテストポイントのみを許容するように設定していることに注意します。この小さなテスト基板には裏面にコンポーネントが1つも配置されておらず、ビアもまったくないため、テストに利用できるのはスルーホールピンのみです。

 

Altium Designerのtestpoint styleルールのメニュー

Altium Designerでのtestpoint styleの設定

 

ステップ4: Testpoint Managerで基板のテストポイントを使う方法

テストポイントのデザインルールが設定できたため、Testpoint Managerを使ってテストポイントを一括で作成できます。下図に、[Tools] » [Testpoint Manager] で表示される [Testpoint Manager] メニューを示します。

 

Altium Designerの [Testpoint Manager] メニュー

[Testpoint Manager]メニュー

 

上図のように、Testpoint Managerには基板のネットの一覧と各ネットのテストポイントの状態が表示されます。現在、テストポイントが割り当てられていないため、製造テストポイントと実装テストポイントの両方について各ネットは「Incomplete」として表示されています。このメニューの中央に、製造テストポイントと実装テストポイントを割り当てるためのボタンがあります。 

これらのボタンをクリックすると割り当ての選択肢を備えたドロップダウンメニューが表示されます。このメニューの下部には、6つのネットが割り当てられていないということを正しく報告する「テストポイントの状態のまとめ」が表示されています。この小さなテスト基板では、ドロップダウンメニューを開き [Assign All] を選択することで実装テストポイントを割り当てました。その結果を下図に示します。

 

割り当てに失敗した後のAltium Designerの [Testpoint Manager] メニュー

テストポイントの割り当てに失敗した後の[Testpoint Manager]メニュー

 

ご覧のように、テストポイントは1つも割り当てられませんでした。Testpoint Managerは、これらのエラーの考えられる原因を [Assignment Results] ウィンドウに表示しています。しかし、それは一般的なメッセージであり、このインスタンスには当てはまりません。真の問題は結局、testpoint styleルールがデザインと一致しておらず、Testpoint Managerが全ての割り当てを完全にあるべき姿にすることに失敗したことでした。

この事態を是正するため、下図に示すように、testpoint styleルールに2つの変更を加えることとします。 

第1の問題は、テストポイントのグリッドを0.025mmグリッドに設定していたにもかかわらず、設計内のスルーホールのパッドを0.01mmグリッド上に配置していることです。これにより、テストポイントが正しいグリッド上に位置せず、testpoint styleルールは全てのテストポイントの割り当てを禁止しました。第2の問題は、ルールでは穴のサイズを1.016mm未満と規定しているにもかかわらず、1.02mmの穴サイズで設計していることです。

 

Altium Designerのtestpoint styleルールのメニュー(修正後)

一部のtestpoint styleの変更

 

上図のように、グリッドを無効にし、最大穴サイズを1.03mmに設定することでこれらの問題を修正しました。ルールをアップロードした後、Testpoint Managerに戻り、割り当てを再実行しました。下図のように、今度は全てのネットが実装テストポイントとともに正しく割り当てられました。

 

割り当てに成功した後のAltium Designerの [Testpoint Manager] メニュー

テストポイントの割り当てに成功した後の[Testpoint Manager]メニュー

 

テストポイントの割り当ては、基板設計者の仕事の重要な部分であり、信頼できる一連の設計ツールが必要です。幸い Altium Designerは、テストポイントの定義と管理のための強力で使いやすい機能を備えた 基板設計CAD設計です。

 

Altium Designerでの基板設計について詳細は、アルティウムのエキスパートに お問い合わせください。

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