半田ブリッジについて理解する: 焼いたクッキーを美味しく食べるには

天板の上のクッキー

 

私はクッキーを焼くのが大好きです。特に週末が近づいてくると、手の込んだクッキーを焼いてパーティーを開く計画を立てるのは、ワクワクして心が癒されます。とはいえ、私が本当に好きなのはクッキーを食べることです。生地を丸めたり、すくい上げてオーブン皿の上に並べたりして焼き上がるのを待つのは、退屈さと自制との戦いにほかなりません。私は我慢ができなくなると、皿の上のクッキーを好きなだけお腹に詰め込みます。それと同じ分量の1枚の巨大なクッキーを食べなければいけないとすれば、あまり気分のよいものではありません。

 

クッキー三昧の冬休みの計画にふけっているのであれ、スペースの制約に対処するためのもっと効率的な方法を探しているのであれ、目標はいつもクッキーを丸ごと無駄にしないように天板のレイアウトについて考えることです。クッキーを作ることに時間を費やしたのなら、クッキーを食べるという見返りがあるべきです。これはたくさんのものにあてはまることでしょう。

 

残念ながら、PCBをすし詰め状態にするとクッキーは手に入りません。せっかちになってスペースの制約から外れてしまうと、1回分のクッキーを無駄にするよりも、はるかに高額なコストがかかります。確かに設計の複雑さとサイズは、PCBの製造コストに影響を及ぼす大きな要因ですが、それよりも誤動作やPCBのショートの原因になるのは設計の密度が高すぎることです。スペースの制約内で設計を効率的に機能させることができれば、コストと時間を節約し(そしておそらくは利益を挙げ)、もっとうまく他のこと(たとえば、休日にクッキーをもっと食べるなど)に費やせるようになるでしょう。

電気ショート

高密度設計の最も一般的な問題は、頻繁に発生する電気ショートです。悲しい現実(不都合な事実?)は、PCBをどれだけうまく設計しても、多くの場合に電気ショートが発生してしまうことです。設計が高密度である限り、半田ブリッジが発生する可能性は高くなります。ただし、PCBに対する要求が拡大しているため、高密度設計を避けられない事態は多々あります。

 

パッドのサイズやパッド間の距離を減少させると、分量の少ない半田ペーストを使用する箇所が増えることになります。こうしたペーストは適切なステンシルの所定の領域から流出し、隣接するパッドに半田ブリッジを発生させる可能性が高くなります。これは、偶然に1枚の巨大なクッキーが焼き上がってしまうのと似ていますが、こうした半田ブリッジを避ける唯一の方法は、パッド間に十分なbufferスペースを設け、隣接するパッドから流出するペーストに接触しないようにすることです。これは障害を考慮した設計というよりも、ショートのリスクを把握して適切に制御するために設計リソースを割り当てるという考え方です。

 

オーブンから出てくる煙を見つめている男性

オーバーヒートしたPCBやコンポーネントは焦げてしまったクッキーのようなもので、やり直しがさらに高額になる

 

製造

PCB設計が高密度になると、他の製造段階でも困難なことが起きます。ステンシルに関する問題は、特に小さなコンポーネントがぎっしりと配置されている場合に、半田ブリッジが発生する危険をもたらします。コンポーネントの密度が高いと、半田ペーストが流出したり、位置がずれたりする可能性が最も高くなり、その結果、十分なbufferスペースが確保できなくなります。適切なbufferスペースがあると、半田ブリッジの発生を防ぐことができますが、逆に十分なbufferスペースがないと半田ブリッジが発生する可能性が高くなり、ショートなどのエラーが起こりやすくなります。

 

Pick and placeマシン精度では、PCB設計で使用できる密度が制限されます。マシン精度が高いと、コンポーネントを配置する際の柔軟性が向上します。ただし、pick and placeで使用するツールについても検討すべきでしょう。配置ツールはコンポーネントの端を拡張できるため、密集したコンポーネントや小さなコンポーネントの配置がさらに困難になる可能性があります。

 

私の自宅では、食器棚の上に物を保管する際に脚立が必要になります。これによって、クッキーを作るスピードが遅くなることがありますが、クッキーを作れなくなることはありません。ヘッダーの隣に抵抗がある場合など、より高さのあるコンポーネントの隣の位置までpick and placeで対応できない場合は、コンポーネントの高さも問題になります。クッキーのデコレーションで巨大なマシュマロを飾り、クッキーを動かさずに繊細なアイシングをかける必要があるとすればどうでしょう。私はいつもデコレーションなどせずにクッキーを食べてしまいますが、PCBの場合はそうはいきません。

 

マシュマロでデコレーションされた雪だるまのクッキー

高さが異なる要素があれば、クッキー作りもPCBの設計も難しくなる

 

精査、修正、修理

製造後も、高密度設計に付随する課題は続きます。たとえば、コンポーネントの端が近接している場合は容易に見えないため、精査がさらに困難になり、半田接合の確認やスタンドオフの高さの検証ができない場合があります。さまざまな高さがある場合、コンポーネントは、見えなくなる場合があります。

 

高密度設計で特定される問題は、全体が対象となるわけではありません。コンポーネントを近接させると、他のプロセスが遅くなったり、コンポーネント自体がエラーを引き起こす場合があります。ここでは、修正する必要のあるコンポーネントを生かすために、他のコンポーネントを除外する必要があります。また、最も小さなピンセットやどんなに熟練した腕を使っても、基板を再加熱すると確実に半田が溶けてズレが生じます。さらに、全体的な場所が狭く熱が拡散するので、隣接するコンポーネントに遮熱材を追加する必要もあります。

間隔に関する稼働の要件

エラー、ブリッジ、ショートを発生させないために、コンポーネントの間隔に対して最も優先されるのは稼働の要件です。間隔には形式化された仕様がありますが、最もよく引き合いに出されるのはIPC-D-279の3.3.9項です。また、多くの場合に特定のパッケージングやアプリケーションを対象とするOCMのなどの製造業者の推奨事項もあります。ただし、コンポーネントやパッケージングの種類を変更すると、仕様では必要なガイドラインが十分に網羅されなくなることが多々あります。

 

コンポーネントの間隔に対する要件は、基板の機能、稼働パラメーター、さらにその環境によって異なります。初期費用を節約するために、間隔を試したり、狭めたりする前に、電圧、RFI、またはEMCに基づいて分離の要件を検討してください。これを怠ると、製品全体の寿命が縮まり、安全に関する問題が発生する恐れがあります。また、取り扱いや安全に関する要件によって端の間隔を決める場合もあるでしょう。余分な部分はbufferから簡単に削れそうに思えるものの、bufferを減らすと基板の寿命に重大な影響が及ぶ可能性があります。

 

スプーンとボウルとこぼれたアイシング

こぼれたアイシングは美味しいけれど、流出した半田ペーストは破滅的

 

設計中に必要な情報を把握しておくほかに、半田ブリッジを意識しながらコンポーネントの間隔を設定するのは厄介に思えるかもしれませんが、どうか安心してください。これは、いつもオーブンに何かを入れる前に予熱するのを忘れ、いくつもの手順を把握するのが難しいことをわかっている私からのアドバイスです。ただ、高密度設計を手掛ける際は、堅牢なデザインルール チェック機能を備えるAltium Designerの活用を検討してください。Altium Designerでは「立入禁止」の領域を確認することができるほか、コンポーネントの他の物理的な制限もすべて考慮されます。また、製造業者のルールをインポートして、設計前に互換性をチェックすることもできます。

 

Altium Designerなどの優れた設計ツールをいつでも使えるようにすれば、設計作業はもっと制御しやすくなります。半田ブリッジやコンポーネントの間隔に関する詳細については、アルティウムの専門家にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

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