Frank Duggan: マイクロアーキテクチャーとMITでの目標

Judy Warner
|  投稿日 November 17, 2017  |  更新日 November 12, 2020

Frank Duggan and his dad at NYC Maker Faire

Frank Dugganと氏の父親からNYCメーカーフェアで、BEEBAについて学んだこと

 

Judy Warner: あなたが、離散ロジックを使用する独自のマイクロアーキテクチャーを開発しようと最初に思った動機は何ですか?

 

Frank Duggan: 私は小さい頃から、具体的な内容は知らなくても、これをやりたいと思っていました。私は自分のスナップ回路電子機器キットに熱中し、色々な機能を果たす回路を作る課題に取り組むのが好きでした。いつの頃からか、コンピューターを作り上げるのが究極の課題であると、私は決意しました。これはおそらく、コンピューターがとてもミステリアスに見えたからでしょう。そして私は、コンピューターがどのように実現されているのか理解できなかったので、設計は非常に難しいに違いないと結論しました。

 

Warner: 他のデバイス用のアセンブリ言語プログラミングを行ったことはありますか?もしそうなら、変更したいと思った部分はありますか、その理由は?

 

Duggan: 他のアセンブリ言語でプログラムしたことはありません。ただ、ARMのアセンブリについて多少知っています。私がBEEBAアセンブリ言語を作成したとき、既存のアセンブリ言語の設計は考慮に入れませんでした。ただ、ハードウェアの実行する命令セットを見て、それをテキストで表現する方法を立案しました。

 

Warner: BEEBAのRev 2を開発するとき、最も大きな課題は何でしたか?

 

BEEBA

BEEBA

 

Duggan: 最大の課題は、命令デコーダーの設計でした。分岐とループの動作を可能にする方法を見つける必要がありました。16ビット命令では、命令のジャンプ先や、そこへのジャンプを行うかどうかを決定するための読み出し先アドレスを指定するために十分な幅がありません。しばらく案を考えた結果、システム内でデータをある場所から別の場所へコピーして動作するソリューションを思い付きました。書き込み可能な3つの場所を使用して、命令位置のバッファ処理を行います。書き込み可能な4つめの場所は、バッファされた場所へのジャンプを行うかどうかを決定するために使用されます。その場所に奇数が送信された場合、命令コンピューターはバッファされた場所をプログラムカウンターにコピーします。その場所に偶数が送信された場合、コンピューターは何も行わず、シーケンスの次の命令に進みます。これは電子的に実装が単純で、命令デコーダー基板の限られた面積に収納可能でした。

 

Warner: 基板のデバッグには、どのような技法を使用しましたか?

 

Duggan: ジャンパーワイヤーを使用して、コンピューターの部品をブレッドボードに接続し、分離テストできるようにしました。あるときは単一基板のコンピューターを接続し、別のときにはいくつかの基板を接続しました。私は、汎用レジスタ基板で間違いを犯してしまい、読み出し/書き込み場所が逆順に読み取られていました。このとき、基板が既に出来上がっていたため、基板にドリルで穴を開け、ワイヤーで接続を修正するしかありませんでした。

 

Warner: PCB設計を開始する前に、試作作成のため、どのような手法を使用しましたか?

 

Duggan: 設計の一部を、かなり大きなブレッドボード上に構築しました。テストのため、特定の入力および出力ピンにスイッチとLEDを取り付けました。正しく動作することを確認してから、自分が使用していたCADプログラムで同じ回路を作成しました。

 

Warner: このアーキテクチャーは、オープンソースとして設計したのですか? もしそうなら、どこで見ることができますか?

 

Duggan: 今はオープンソースになりました。https://github.com/giraffeics/BEEBAで見られます。設計ファイルはもっとずっと前に公開すべきでしたが、とにかく今ではここで公開されています。

 

Warner: 大学では何をしようと思っていますか? そして、どこの大学を第一に志望しており、その理由は何ですか?

 

Duggan: 電気工学やコンピューターサイエンスを勉強したいと思っています。これらの分野は既に何年も勉強しており、好きでやっているので、今から止める理由はありません。第一志望はMITです。大学のキャンパスを訪問してツアーに参加したからです。大学を選ぶため最優先したのはカリキュラムで、MITは柔軟であり、電気工学とコンピューターサイエンスの両方の興味を追求できます。コンピューターグラフィックや、学生がプロセッサーを設計するなど、非常に具体的なコースが用意されています。私は実体験により学ぶことを好んでいます。そして、これはまさにMITの創設の理念、「Mens et Manus(心と手)」そのものです。また、私はMITを訪問したときに何人かの学生と話し、その1人はMITでの勉学中に得た就業の機会について話してくれ、その中にはGoogleでの勤務も含まれていました。大学の在学中に現場で重要な仕事に就けることは、確かに魅力的です。最後に、研究の機会です。これは私にとって非常に重要で、この分野に重要な貢献ができる方法、と私は考えています。今日では、ほとんどの大学は自分たちの施設で行われている研究について宣伝していることは承知していますが、この点についてMITが優れた場所であることは疑いありません。

 

Frank Duggan at Altium booth MakerFaire NYC

 

Warner: あなたとNYCメーカーフェアでお会いしたのは有意義なことでした。興味深いお話をありがとうございます。大学で良い成果が得られるよう期待しております。Altiumの弊社チームも、あなたがMITに入学できるようお祈りしています。

 

Duggan: ありがとうございます。有意義な時間でした。インタビューとサポートに感謝します。

 

DugganがBEEBAについて説明しているYouTubeビデオはここでご覧になれます

筆者について

筆者について

Judy Warnerは、25年以上にわたりエレクトロニクス業界で彼女ならではの多様な役割を担ってきました。Mil/Aeroアプリケーションを中心に、PCB製造、RF、およびマイクロ波PCBおよび受託製造に携わった経験を持っています。 また、『Microwave Journal』、『PCB007 Magazine』、『PCB Design007』、『PCD&F』、『IEEE Microwave Magazine』などの業界出版物のライター、ブロガー、ジャーナリストとしても活動しており、PCEA (プリント回路工学協会) の理事も務めています。2017年、コミュニティー エンゲージメント担当ディレクターとしてAltiumに入社。OnTrackポッドキャストの管理とOnTrackニュースレターの作成に加え、Altiumの年次ユーザー カンファレンス「AltiumLive」を立ち上げました。世界中のPCB設計技術者にリソース、サポート、支持者を届けるという目的を達成すべく熱心に取り組んでいます。

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