PCBの複雑化に対応するための設計手法

August 3, 2017 CircuitStudio

小さな円形のプリント基板

用途はわかりませんがとにかく小さい回路です

 

世の中の動きが自分より少々速いと感じたことはありませんか? 新語、アプリ、ヘアスタイルなど、さまざまなトレンドがあります。時代遅れのファッションセンスに加えて、複雑なPCB設計でも後れをとっているかもしれません。IoT(Internet of Things)とウェアラブル電子機器の出現のはざまで、PCB設計要件はますます高度になっています。この流れに遅れないためには、PCBの小型化、高速化、柔軟化を可能にする設計技術に常に注意を払う必要があります。また、設計動向への迅速な対応に加え、場合によっては必要な技術をどのように実装するかについてのトレーニングも必要になります。

 

小型化

 

昨今の衣料品の興味深いトレンドのひとつは、何もかもが小さくなっているということです。シャツは体にぴったりしたサイズになり、短パンやスカートの丈は短くなっています。コネクテッドデバイスがますます小さくなるにつれて、PCBもこのトレンドに乗っているようです。昨日はマイコンを腕時計の中に収納しなければなりませんでしたが、今日は画びょうの中に収納することになりそうです。腕時計に収納する技術はあっても、画びょうとなれば話は別です。PCBのサイズが小さくなるにつれ、効率的なファンアウトやブラインド/ベリードビアなどの設計の小型化ソリューションについて最新の情報が必要になります。

 

集積回路(IC)製造業者は、この要求により細かいピッチのパッケージで対応していますが、これにより世界は一層複雑化します。BGA(ball grid array)やQFP(quad flat package)は小型化し、より効率的なファンアウト戦略が必要になるかもしれません。

 

高密度相互接続(HDI)ボードは、あらゆる部品を可能な限り密接して詰め込み、基板面積を節約するものです。実際に全てをそこに詰め込むためには、ブラインドビアやベリードビアを使用して基板内の接続を効率的に行う必要があります。

 

小型化の危険な側面として、熱の管理に注意してください。レイアウトを縮小した場合、以前は動作していた設計が動作しなくなることがあります。自分の設計が、より小さいフットプリントで放熱要件を満たすことができるかどうか、必ず確認してください。

 

PCBからの出火
高速化および小型化で過熱のことを忘れてはなりません

 

高速化

 

設計トレンドには、芝生の管理人と芝生に立ち入るティーンエージャーのように、もめごとが生じることが少なからずあります。より高速な回路を要求されるので、設計者は基板でより高出力のICを使用することになります。通常ICは、出力が高くなると、よりサイズが大きくなり、より熱を持ちます。

 

現在のシリコントランジスターはサイズが最小限界に近づいており、今後、ますます高速化するためにより大きなチップが必要になるでしょう。チップが大きくなるにつれて、前節で言及した効率的な設計手法の習得がますます重要になります。

 

ご存知のように、高速化はより多くの発熱を意味します。より熱を持ったICは、熱管理のためのレイアウト計画、完全な熱伝導材料の選択、新しい放熱技術への迅速な対応を意味します。

 

グリーンなPCB

 

1度着用した後に手放した全てのイベント用Tシャツがその後どうなるのか、疑問に思ったことはありませんか? それらのTシャツは最終的にはアフリカに送られ、格安の古着マーケットで第2の人生を迎えます。残念ながら、海外に投げ売りされたPCBは、通常再利用されることはありません。多くのPCBの色はグリーンですが、環境の観点ではグリーンとはいい切れません。2020年までに340億個のデバイスが接続されると予測され、PCBは近いうちにもう少しグリーンになる必要があります。PCB設計者は、まもなく、より伝統的な設計とともに「グリーン」な設計を選択する準備を迫られるでしょう。

 

現在、PCB用のバイオベース材料の使用に関する研究が行われています。「グリーン」な基板で使用できる多種多様な材料があり、いずれも異なる機械的特性を持っています。長所は、どの材料を選ぶかによって基板に固有の機械的特性、柔軟性、強度などを持たせることができます。短所は、設計者が近々、自分の基板にニワトリの羽毛繊維とケラチン繊維から選択するための知識が必要になる可能性があることです。

 

また、バイオベースの技術は、基板に異なる電気的特性を持たせることができます。テスト中の新しい樹脂によって、設計者は基板の比誘電率などの特性を指定することができます。特定用途でどの比誘電率を使用するかはわかりませんが、読者の方々はおわかりでしょうか? 設計者はまもなく「グリーン」な基板を最大限に活用するために、材料科学について多くのことを学ぶ必要があるでしょう。

 

キーボードの従業員トレーニングボタン
これが次のIoTアプリケーションかもしれません

 

トレーニング

 

最先端の設計技術に関する最新のニュースやブログを継続的に読むことで、間違いなく最先端のPCBの情報についていけるでしょう。ただし、記事や資料で足りない部分は、体系的なトレーニングで補う必要があります。

 

最近、PCB設計者が不足しているかどうかについて、よく話題に上ります。どちらにしても、より複雑なPCBの必要性が、業界にスキル不足を招いていることには誰もが同意するでしょう。雇用主が雇うべきエンジニアを見つけた場合でも、高度なPCB設計に必要なスキルが不足していることがよくあります。それらのスキルを習得するのは大変なことです。現在、ほとんどの設計者は、自分のPCB設計上の課題を自分だけで解決しています。今のところこの方法が機能していますが、PCBの要件は近いうちに、独学の設計者を圧倒するほど高度になるでしょう。設計者のトレーニングは、ますます複雑化するPCB設計の増え続ける要求に応えるスキルを身につけるための唯一の方法です。

 

PCB設計の世界は急加速しており、適応しない人々は後にとり残されます。自分もその1人になると危惧なさっているのであれば、マネージャーに、今後の設計に役立つ新しい設計技術のトレーニングについて相談してみてください。

 

私は大学で電気工学の研究に苦労していましたが、妹は比較的楽なファッションとデザインの単位修得を楽しんでいました。もちろん、私は彼女が必要な数学コースに合格できるよう手伝いましたが、彼女も私のひどいファッションセンスを並みのレベルに引き上げることで、私を助けてくれました。PCB設計ソフトウェアはこのときの妹と同じで、未知の領域で道を示してくれるはずです。CircuitStudioが同じ役割を果たします。インタラクティブな配線ブラインドビアおよびベリードビアの使用などの機能概要を記載したドキュメントなどにより、CircuitStudioはいつでも設計の外観を整えるのに役立ちます。

 

高度な設計手法についてのご質問は、CircuitStudioのエキスパートにお問い合わせください。

 

 

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