設計者または製造業者は、PCB製造のあらゆる側面を指定するべきか?

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長年計画していた中国への旅行が、ついに実現しました。フライトも半ばにさしかかった頃、突然、休暇の興奮は不安に変わりました。私はPCB設計者ですが、実装の間に重大な基板の誤りがあったかもしれない、と気付いたのです。そのリフロープロファイルを指定しなかったことを後悔していました。その反面、再度、それを指定することを後悔していたかもしれません。基板の誤りは全て、このフライトに搭乗する数日前に起こり、適切な計画があれば、この不安を避けることができたのです。PCBを設計、製造する際に使用される一般的なテクニックや原則は2つあります。1つは、基板の製造や実装の全ての側面を指定することによって、PCB設計の完全な所有権を得ることです。もう1つは、製造や実装のプロセスの一部を指定することを、契約製造業者に許可することです。どちらのオプションにも、適切な時と場所があります。異なる状況で、どちらの方が適切か考えましょう。

 

制御方法を選択するのは、いつか?

通常、基板の設計のあらゆる側面を指定する方が、より安全で優れたオプションです。設計パッケージ全体を制御すると、PCBの製造場所やPCB実装の品質について、企業には最大の自由と柔軟性が与えられます。生産を拡大しつつある場合や、オフショアのコスト削減を目指している場合、基板の製造業者や実装業者の変更は、よくあることです。自身の材料やプロセスを選択する自由を契約製造業者(CM)に与えると、PCBアセンブリ(PCBA)の移転は、より困難になるでしょう。新しい実装業者でできた製品が、最初の実装業者とは異なる可能性が高いからです。これによって、休暇中に不安になることはないかもしれませんが、それに付随する認証の問題では、不安になります。多くの場合、基板が変わると、その製品に関連した認証は、再度確認する必要があります。これにはコストがかかり、製品の発売が遅れる場合があります。

そうすると、基板を製造し実装する方法を完全に指定するのが、常に最適な方法であると思われるでしょう。しかし、適切な基板材料の選択、適切なフラックスの決定、リフロープロファイルやはんだペーストマスクの調整、PCBの面付けなどは、時間がかかり困難な場合があります。これらの要素のために、上で説明した利点が損なわれるシナリオが、いくつかあります。PCBAの完全な所有権を得るべきシナリオと、得るべきでないシナリオについて検討しましょう。

 

 

 万里の長城
この景色を見に行くときに、PCBの仕様について考えたいと本当に思いますか?
 

 

UL認証取得のための設計

UL認証に応募するときは、コストのかかる遅延や予想外の経費を避けるため、PCBAのあらゆる側面を完全に指定することが重要です。応募した経験がある人間は誰もが、UL認証の取得は、困難で時間のかかるプロセスだと言うでしょう。しばしば、ULに合格するには、製品に一連のテストを実施する必要があります。製造業者が設計の材料を選択できるようにすると、合格に必要な仕様に従わずに、これらのテストで不合格になる場合があります。製品の安全レベルに応じて、認証は、完了するのに数か月かかる場合があります。ことによると、製品が最終的に合格する前に、何回かの繰り返しが必要になります。この場合、PCB設計者の実際の唯一のオプションは、どの安全仕様を満たす必要があるかを学び、これを使って、PCB設計の(全てではないにしても)ほとんどの側面を決定することです。例えば、ULテストでよく問題となるのは可燃性(UL94)です。しばしば、PCB基材に適切な誘電体を指定することが、これらの用途に重要になります。PCB製造業者に、任意の繊維ガラス材料を選択する自由を与えると、ULテストサイクルが増えることになるでしょう。最初から設計仕様の概要をまとめ、認証の間の問題を避けるのが、賢明です。どれだけ指定するかを決めるのが難しい場合もあります。どちらとも言えない場合を見ましょう。

 

インピーダンスとユーザー入力の制御のための設計

IoT市場向けのPCBを設計しているとき、概要を示す仕様の数について、判断が必要になります。ほとんどのIoT設計では、センサーデータまたは他の機能を伝えるのに、BluetoothまたはWi-Fiを使用します。つまり、通常は、インピーダンスの管理が必要なPCBアンテナがあります。同様に、静電容量センサーは、最高のパフォーマンスを発揮するため、厳密に制御された静電容量プロファイルを必要とします。これらは両方とも、基板の製造によって大きく影響されます。一般に、これを行うのに、目標インピーダンスを推定するツールを使用し、PCBの製造メモでそれを制御するよう要請します。また、試験用金属片や基板製造業者のテスト結果を要求することも、よくあります。制御されるインピーダンスが製品の規格を満たすことを確認するためです。これらの場合、基板の設計や実装のあらゆる側面を選択するかどうかは、どちらとも言えません。

これらのシナリオに対するベストプラクティスは、(インピーダンスなどの)基板要件を厳密に指定し、実装後にPCBを評価することです。時々、これは監査と呼ばれます。シミュレーションは、PCBパラメーターを完全には推定できないので、重要な要件は、基板製造業者が物理的に測定し微調整する必要があります。したがって、厳しい最終製品の仕様を満たせるように、製造業者に、プロセス材料と実装フローを選択する自由を与える方が適切です。お分かりのように、このシナリオでどれほど指定すべきかは、100%明確というわけではありません。一方では、基板の動作を厳密に指定し、他方では、目標の達成に必要な方法は、どんな方法でも使用する許可をCMに与えます。

 

 中華料理
希望の食べ物を指定するのは、プロセス材料を指定するのと同じほど注意を要する場合がある


 

短納期の試作と、概念実証の作成

スタートアップの世界には、「素早く動きモノを壊せ」という言葉があります。このアイデアの中心となるのは、スタートアップ企業は、自社の製品やアイデアがよいかどうか、市場が確認するまで分からないという点です。その結果、スタートアップ企業は、市場をテストするため、素早く動き、その製品に近いものを手に入れようとします。多くの場合、これはMVP(実用最小限の製品)と呼ばれます。素早く動くことは、多くの場合、安っぽく動くことを意味します。この場合、品質制約が厳しい、移行が簡単な基板よりも、動作する基板を素早く手に入れる方が重要です。製品を製造する準備ができるまで、基板のティア1レベルのパッケージを作るのに時間を費やすことに意味はありません。エンジニアが、製品の重要なコンポーネントの構築に集中できるよう、できるだけ契約製造業者を活用するのが一番です。 

 

重要なポイント

PCBレイアウトソフトウェアが大きく進歩したにもかかわらず、強固なPCB設計を作成することは、依然として困難です。時に、基板の製造や実装について重要な設計判断を下すことを契約製造業者に許可する方が、簡単です。ただし、そうすることによって、製品の品質や認証を危うくする場合があります。Altium DesignerのようなプロフェッショナルPCB設計ソフトウェアや、Altium Vaultのようなアドオンが、基板の製造や実装を指定するのに役立ちます。これによって、休暇中の不安が、なくなりはしなくても減り、動作する試作から販売可能な製品への移行が、ずっと簡単になります。

仕様に関するご質問は、Altiumの専門家までお問い合わせください。

 

 

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